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【2021年版】世界遺産にしていまだ現役のコンサートホール、カタルーニャ音楽堂

Palau de la Musica

こんにちは、バルセロナ在住10年目になるモニカ通信のモニカです。

Aさん
「バルセロナに世界遺産の建物で今でもコンサートが行われているところがあるって聞いたんだけど、どこのことかしら?」

モニカ
「バルセロナ市街中心地にあるカタルーニャ音楽堂のことね。建築家リュイス・ドメネク・イ・モンタネールが設計したモデルニスモ建築の傑作よ。」

ということで、今回は世界遺産にしていまだ現役のカタルーニャ音楽堂を詳しく解説していきますね。
※2020年より、Covid-19の影響により、ガイド付きツアーがなくなり、代わりに自分のスマホにアプリをダウンロードして、自分のヘッドホン(ないしはイヤホン)で説明を聞きながら観光するようになっています。

カタルーニャ音楽堂とは?


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正式名称はPalau de la Música Catalanaで、建築家リュイス・ドメネク・イ・モンタネールが設計したモデルニスモ建築の傑作。

1905年~1908年にかけて建設され、世界遺産にも登録されている建築物の中で、世界で唯一今なお現役のコンサートホール。

一年を通してクラシックのコンサートからスペインの伝統舞踊のフラメンコショーまで、幅広く行われているわ。

1900年代初め、イギリスで起きた産業革命に刺激を受け、ここスペインのカタルーニャでも産業革命が起こったのね。

その産業革命の中心となったのが木綿産業で、それによって膨大な富が生み出され、カタルーニャ独自の新しい芸術様式(モデル二ズモ)が育つこととなったの。

もともとカタルーニャ音楽堂は、オルフェオ・カタラという、1891年に設立されたカタルーニャの伝統音楽を歌う合唱団のために建てられたの。

合唱団のメンバーはプロではなく、その当時バルセロナに多かった紡績工場で働く職人や労働者の人たち。

現在のような奥まった地区に彼らの多くが住んでいたこともあって、そこに音楽堂ができたという訳。

ちなみに、モンタネールはバルセロナの建築学校の教授としてガウディを教えたことでも有名で、彼が設計したサン・パウ病院もまた世界遺産に登録されているのよ。

営業時間・休館日

開場時間
・通常: 10:00 – 15:30(※最終入場時間)
・イースター、7、8月: 9:00 – 19:00(未定)

休館日
※コンサート開催日などで不定期にツアー見学は休止になるので、公式サイトでツアー催行日かどうか必ず確認してくださいね。

※また営業時間の変更などもありので、公式サイトの営業時間も併せて確認してくださいね。

営業時間➡カタルーニャ音楽堂公式サイト

見学方法・混雑具合

カタルーニャ音楽堂の内部を見学するには、ガイド付きツアーへの参加か、コンサート・ショーなどの鑑賞、の二つの方法があるの。

ガイド付きツアーは、言語ごとに催行されるけど、残念ながら日本語でのツアーはなく、英語やスペイン語でのツアーになるの。

コンサートショーで入場する場合、いろいろなイベントがあるので、当日に見に行きたいものが開催されているとは必ずしも限らないのよ。

なので、日中に観光できるのであれば、ガイド付きツアーでの参加が無難かもしれないわね。

ただ、日中は他の観光で日程が詰まっている場合は、夜のコンサートなどで入場するのも効率的よ。

※2020年より、Covid-19の影響により、ガイド付きツアーがなくなり、代わりに自分のスマホにアプリをダウンロードして、自分のヘッドホン(ないしはイヤホン)で説明を聞きながら観光するようになっています。

見学時間の目安

ガイド付きツアーの所要時間は50分間

現在はオーディオガイドを使ったセルフガイドツアーだけとなっていて、そちらも50分ぐらいかしら。

見学テクニック

セルフガイドツアーで参加する場合、自由に写真を撮影することができ、料金の中にセルフオーディオガイドのアプリ使用料金も含まれているの。

当日入場も空きがあれば問題なく入場できるけど、混雑している日は、次回ツアーに参加できず待たされることもあるわよ。

特にハイシーズンに観光する人で、予定が決まっている人は、当日がっかりしないためにも、事前にネットで予約することをおすすめするわ。

見どころ・見学コース

それでは、カタルーニャ音楽堂の見学ツアーの見どころをご紹介していきますね。

オルフェオ・カタラ(カタルーニャ聖歌隊)のリハーサル・ホール

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まずは1905年に建設の礎石が置かれているオルフェオ・カタラ(カタルーニャ合唱団)のリハーサル・ホールから。

音楽堂が完成した1908年から現在まで100年以上に渡り、カタルーニャ合唱団は現在もこの場所でリハーサルを行っているの。

ガイドツアーはここで、15分ほどのカタルーニャ音楽堂の歴史のビデオ映像を観ることになるんだけど、後ろの座席のほうが見やすいわね。

大階段


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ルイス・ミレット・ホールに移動する際に上り下りする、細部に渡り美しい彫刻や装飾がされている豪華絢爛な大階段。

大階段の装飾の中でも特に注目に値するのが、螺旋状にねじれた柱をガラス管でおおった当時としては非常に斬新な造りの手すり。

また、窓のステンドグラスには、設計者モンタネールの代表的な装飾モチーフである花模様がたくさんあしらわれているわ。

ルイス・ミレット・ホール

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バルセロナ出身の作曲家、ルイス・ミレットはカタルーニャ合唱団の創設者の一人。

彼の名にちなんで付けられた二階のルイス・ミレット・ホールは、コンサートがある時など、幕間の休憩所として利用されているスペース。

ホール全体の装飾は自然への敬意から、窓や柱のいたる所に、いろいろな種類の花や植物の模様があしらわれているの。

天井中央には300kgもある巨大なシャンデリアがひときわ目を引き、細部に至るまで細かい彫刻がされているのが見て取れるわ。

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バルコニーに出ると、そこにはモデルニスモ建築の特徴である色鮮やかなモザイクで装飾されたバロック、モデルニスモ、ムデハルと幾つもの様式が統合された列柱の数々。

カタルーニュ音楽堂の当時の正面入口が、このバルコニーのある側で、すべて異なる色彩とデザインの色鮮やかな列柱は正面ファサードの装飾の一部にもなっているのね。

コンサートホール(1階席)

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実際の大きさ以上に大きく感じるコンサートホールは、横が12.48m、一階から天井までの高さが13.21mあり、総座席数は2,049席

ホールのシンボルともいえる天井のステンドグラスから差し込む光が、色、形、光の全てが見事に融合し、ホール全体を美しく照らしているの。

中央部の黄色から外側の青色へ変化して行く非常に美しい滑らかなガラス模様も見どころの一つ。

また、ステンドグラスを囲む淵とその周りにはモンタネールお得意のバラ模様が装飾されているわ。

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舞台半円形の壁の両脇には、詩歌・音楽・学問・芸術などを司る女神の彫刻が左右に9体ずつ、全部で18体飾られているの。

興味深いのはそれぞれの女神の上半身が彫刻で、下半身がモザイクで描かれているということ。

舞台上部に見えるのが、天井のステンドグラスと共に必見の3,700本のバイプからなる巨大なパイプオルガン。

ガイドツアーではオルガンの演奏を鑑賞できるのよ。

舞台上部左右の角に目をやると、それぞれ詳細な造りの彫刻が飾られていて、まるで美術館のような雰囲気。

舞台左側には、カタルーニャ民謡の復活に尽力したジョセップ・アンセルモ・クラヴェの彫像が、その下部にはカタルーニャ民謡を歌うコーラス隊の像。

一方、舞台右側には、ドーリア式の柱の間にベートーヴェンの彫像が、その上部にはワーグナーのオペラ「ワルキューレ」の騎士像が見て取れるわ。

コンサートホール(2階席)

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息を呑んでしまうほどのコンサートホールの美しさは、一階席より二階席から見たときのほうが、より引き立って見えるかも知れないわね。

天井から飛び出したステンドグラスの美しさは格別で、光の大きな雫にも似た、太陽をイメージしているのが良くわかるわ。

柱や天井を飾るモチーフの中でも特にバラが多いのは、 守護神のサン・ジョルディがドラゴンから王女を助けたときに贈った花がバラだったことから来ているの。

外観(ファサード)

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カタルーニャ音楽堂の西側にある現在の入口はガラスで覆われているけど、かつての正面入口だった南東側では、モデルニスモ建築のファサードを見ることができるわ。

建物自体の角が鋭角だったため、建物全体を船に見立て、船首にあたる角に当時の流行であった守護神のテーマ、サン・ジョルディの彫刻を配置したの。

トレンカディス(破砕タイル)が美しい中央の太い柱は、もともとチケット売り場の窓口で、今でも係の方が座っていて、当時の名残りを見ることができるわよ。

唯一残念なのは、正面の通りが狭いため、遠くからルイス・ミレット・ホールのバルコニーの列柱のファサードを見ることができないことね。

セルフガイドツアー vs ガイド付ツアー vs コンサート

2020年に新しくできたセルフガイドツアーはもともとガイド付ツアーの始まる前の時間が割り当てられていたのでスタート時間は8:30分からと早いものだったの。

それがCovid-19の影響で、ガイド付きツアーがなくなり、時間帯が10:00〜15:30になり、オーディオガイドを使っての観光に新しくなったのよ。

セルフガイドツアー ガイ付きドツアー コンサート
料金( 10€ 14€(※現在催行中止 20−60€

25−130€

セルフガイドツアー
【ポイント】
自分のペースで音楽堂内をゆっくり見て回れる
ルイス・ミレット・ホールと外のバルコニーの見学可能
【デメリット】
ガイドツアーが始まる前の早い時間帯のみ
毎日の開催ではないので、要確認(期間限定?)

ガイド付きツアー (※現在催行はされていません)
【ポイント】
ビデオによる解説
専門ガイドによる音楽堂の案内
ルイス・ミレット・ホールと外のバルコニーの見学可能
【デメリット】
日本語のガイドツアーがない

コンサートショー
【ポイント】
夜の幻想的に見える館内とコバルトブルーに輝くステンドグラス
【デメリット】
人気のコンサートはすぐ完売
安い席はステージが見えない、半分しか見えない
現代のコンサートホールに比べると純粋に音響が良くない

世界遺産の中のバル

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併設された一階のバルでもモデルニズモ建築の素晴らしい装飾を見ることができるわ。

カウンターには美味しそうなピンチョスが並んでいるので、見学の後にサクッとに食べるのに最適。

ツアーやコンサート来場者でなくても利用できるので、徒歩2分のところの人気のチュロス屋さんChurreria Laietanaでチュロスをテイクアウトして、世界遺産でカフェって最高じゃない!

…まとめ

世界で唯一、世界遺産にして今も現役のコンサートホールカタルーニャ音楽堂。

見学の方法は2つあり、日中セルフガイドツアーで見学するか、夜コンサートショーが始まる前に見学して、その後ショーを楽しむかのどちらか。

タイトな旅行スケジュールで、日中にガイドツアーへ行くのが難しいと言うひとは、見学を兼ねての夜のコンサートがおすすめ。

また、人気アーティストが出演するようなコンサートが旅行の日程に上手く合うなら、見学ツアーをやめて夜のコンサートへ行くのもあり。

日本で観るのに比べればかなりリーズナブルな料金設定となっているのは確か。

逆に特に興味のわかないコンサートに行くなら、日中のガイドツアーへ参加して、夜は食事など他の事に有効に時間を使うのがおすすめ。

どちらで見学するかは、自分の旅行の日程とよく相談しながら決めるのが良いわね。

最後まで読んでいただいてどうもありがとうございます。

参考➡カタルーニャ音楽堂の公式サイト

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