スペイン語

【初心者向け独学スペイン語シリーズ㊵】アラビア語起源のスペイン語、その数4,000以上

こんにちは、バルセロナ在住10年目のモニカ通信のモニカです。

Hさん
「スペイン語って、フランス語やイタリア語に似た単語がたくさんあるけど、地中海を挟んだ向こうのアフリカ大陸からの影響もあるのかしら。」
モニカ
「ロマンス語というグループに属する言語の中でも、特にアラビア語の影響を強く受けているのがほかならないスペイン語なのよ。」

ということで、初心者向けスペイン語シリーズ㊵、アラビア語起源のスペイン語を紹介しますね。

スペイン語ってどんな言語?


以前のブログ、スペイン語だけじゃない、4つの公用語というテーマでスペイン語を深堀りしました。

簡単に言うと、スペイン語はインド・ヨーロッパ語族という言語のグループに属していて、その中でもロマンス語という部類に含まれているの。

このロマンス語というのは、ラテン語の口語が元になっている言語で、スペイン語のほかに、フランス語、イタリア語、ポルトガル語、ルーマニア語も同じグループに属しているわ。

スペイン語はこれらロマンス語のなかでも、特にアラビア語の影響を強く受けている言語なのよ。

それはスペインの歴史と大きな関わりがあるの。

スペインのあるイベリア半島は、約800年の長きに渡って、イスラム教の支配下にあったの。

つまり、アラブの文化の影響をおよそ8世紀に渡って受けてきた歴史があるということになるわ。

当然、アラビア語を話す人々が大勢イベリア半島に移り住み、彼らの話すアラビア語が次第にスペイン語の中に単語レベルで取り入れられたの。

やがてスペイン語として定着したのは、ある意味自然の流れとも言えるわね。

このようにスペイン語として定着したアラビア語の単語は約4,000語ほどあると言わているわ。

スペイン王立アカデミーが編纂している王立アカデミーの辞書には、約93,000語が収録されているので、スペイン語の約5%の単語がアラビア語起源ということになるわね。

それでは、具体的な例をご紹介していきますね。

今回はアラビア語起源のスペイン語を4つのグループに分けてみていきますね。

アラビア語起源のスペインの地名


アンダルシア
スペイン南部の地域をアンダルシアと呼びます。
イスラム勢力下のイベリア半島を指すアル・アンダルスから来ているの。

アルバセテ
カスティージャ・ラ・マンチャ州の都市で、平らな土地という意味のアラビア語から来ているの。

アルカラ
マドリード州の都市で、お城という意味のアラビア語から来ているの。

アルヘシラス
アンダルシア州、カディス県の都市で、緑の島という意味のアラビア語から来ているの。

アルメリア
アンダルシア州の都市で、監視の塔という意味のアルメラヤというアラビア語から来ているの。

バダホス
エストレマドゥーラ州の都市で、アラビア語のバティリアスというイスラムの都市名がスペイン語化してバダホスとなったの。

英領ジブラルタル
ジブラルタル海峡の名前にもなっているイベリア半島最南端のイギリス領の小さな半島。
この地を征服したウマイヤ朝の将軍、タリク・イブン・ズィヤートにちなんで、タリクの山というアラビア語から来ているの。

グアダラハラ
カスティージャ・ラ・マンチャ州の都市で、石の峡谷という意味のアラビア語から来ているの。

グアダルキビール
アンダルシア州を流れる川の名前で、大きな川という意味のアラビア語から来ているの。

グアダルーペ
エストレマドゥーラ州、カセレス県の自治体で、グアディ(川)という意味のアラビア語とルピ(狼)といいう意味のラテン語が混ざってできた、狼の川という意味。

ラ・マンチャ
カスティージャ地方のラ・マンチャはマ・アンカ(水のない)という意味のアラビア語から来ているの。
まさにドン・キホーテの舞台、ラ・マンチャ地方は水の少ない乾燥した大地。

ムルシア
ムルシア州の州都で、ムルシヤァ(埠頭)という意味のアラビア語から来ているの。

“Al”(アル)から始まるスペイン語


スペイン語で”A”(アル)から始まる単語を見かけたら、ほぼ100%アラビア語起源だと考えて間違いないわ。

“Al”はアラビア語の定冠詞にあたり、スペイン語に入ってくる際、定冠詞ごとスペイン語に持ち込まれて一語として定着したからなの。

el alcohol(エル・アルコール)「アルコール」
el almuerzo(エル・アルムエルソ)「昼食」
la albóndiga(ラ・アルボンディガ)「ミートボール」
la alcachofa(ラ・アルカチョーファ)「アーティチョーク」
el alcázar(エル・アルカサル)「城」
el alcalde(エル・アルカルデ)「市長・村長」
la aldea(ラ・アルデア)「小さな村・集落」
la alcantarilla(ラ・アルカンタリージャ)「下水道」
la almohada(ラ・アルモアダ)「枕」
la alfombra(ラ・アルフォンブラ)「じゅうたん・カーペット」
el algodón(エル・アルゴドン)「綿・コットン」
el álgebra(エル・アルヘブラ)「代数学」

※ alhambra(アルハンブラ)グラナダにある世界遺産の「アルハンブラ宮殿」もアラビア語から来た言葉よ。

アラビア語起源の野菜・果物・食材

el aceite(エル・アセイテ)「油・オイル」
la aceituna(ラ・アセイトゥナ)「オリーブの実}
el azúcar(エル・アスーカ)「砂糖」
el arroz(エル・アロス)「米」
la berenjena(ラ・ベレンヘナ)「ナス」
la zanahoria(ラ・サナオリア)「人参」
el azafrán(エル・アサフラン)「サフラン」
el limón(エル・リモン)「レモン」
la naranja(ラ・ナランハ)「オレンジ」
la sandía(ラ・サンディア)「スイカ」
el melón(エル・メロン)「メロン」
la espinaca(ラ・エスピナカ)「ほうれん草」

アラビア語起源のその他の単語

el cero(エル・セロ)「ゼロ」
la cifra(ラ・シフラ)「数字」
el dado(エル・ダド)「サイコロ」
la guitarra(ラ・ギターラ)「ギター」
la jarra(ラ・ハーラ)「水差し」
la taza(ラ・タサ)「カップ」
el azul(エル・アスル)「青」
la jirafa(ラ・匕ラファ)「キリン」
el marfil(エル・マルフィル)「象牙」
el rincón(エル・リンコン)「隅」
el ajedrez(エル・アヘドレス)「チェス」

アルフォンソ10世


スペイン語とアラビア語の関係を語る上で忘れてはならないスペインの重要な王様、Alfonso X(アルフォンソ10世)

(エル・サビオ)「賢王」と呼ばれた13世紀のスペインの王様。

スペインの歴史の中でも、最も語学・芸術に長けた王様と言われ、自分で作曲もされたほど。

スペイン語の母体となったカスティージャ語を確立した王様でもあるの。

また、アラビア語の文献をスペイン語に翻訳するという活動に大変力を注ぎ、彼の知性によって多くのアラビア語からの翻訳本が完成したわ。

もともとスペイン語になかった単語が、その過程でアラビア語から借用されたことも、スペイン語の中に多くのアラビア語起源の単語があることの理由のひとつなのね。

アルフォンソ10世のカスティージャ語推進運動は、文化と芸術の大衆化を目指したもので、支配者から民衆への伝達の簡略化という利点もあったわけ。

そしてこれらがスペインの統一化に大きな役割を果たしたのは間違いないわね。

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…まとめ

アラビア語起源のスペイン語の単語

① アラビア語起源のスペインの地名
② ”Al”(アル)から始まるスペイン語
③ アラビア語起源の野菜・果物・食材
④ アラビア語起源のその他の単語

アラビア語を起源とするスペイン語はその数何と4,000語以上。

なので、今回ご紹介させていただいたのはその中のほんの一部。

このような視点からスペイン語を見直してみるのも、とても興味深いわね。

今回はアラビア語起源のスペイン語の単語を紹介させていただきました。

最後まで読んでいただいてどうもありがとうございます。

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