こんにちは、バルセロナ在住10年目になるモニカ通信のモニカです。
ということで、今回はできるだけ写真を使ってわかりやすくサグラダ・ファミリアを詳しく解説していきますね。
コロナ禍のサグラダファミリア
スペインを代表する建築家といえば、一番に名前が上がるのがアントニオ・ガウディ。
彼の代表的な作品、サグラダ・ファミリアは未完成ながらも世界中のファンを魅了してやまないわね。
コロナ禍前のスペインの主な観光スポットの年間訪問者数は、
マドリッドのプラド美術館:320万人
グラナダのアルハンブラ宮殿:350万人
バルセロナのサグラダ・ファミリア:450万人
と、圧倒的な数の観光客が、スペイン国内のみならず、世界中から押し寄せて来ていたわ。
一日あたり12,000人以上がサグラダ・ファミリアを訪れていた計算になるの。
だけど、昨年2020年はコロナというパンデミックの影響で、一時その扉は閉ざされ、観光だけでなく工事も中断されることに。
2021年になり、観光・工事ともに段階的に再開され、5月末からは週末のみ、2,000人を上限に、その扉が再び開かれることになり、7月からは平日も観光できるようになったわ。
当初は、ガウディの没後100周年を迎える2026年に完成を予定していたけど、残念ながらコロナの影響で、工期はもう少し伸びそう。
今回は「アントニオ・ガウディの作品群」の中から、ガウディの最高傑作、サグラダ・ファミリアを彫刻、ステンドグラス、塔・柱・地下礼拝堂に分けて詳しく紹介していきますね。
世界遺産としてのサグラダ・ファミリア

サグラダ・ファミリアがユネスコの世界遺産に登録されていることは広く知れ渡っているけど、サグラダ・ファミリア単体で世界遺産に登録されているわけではないの。
アントニオ・ガウディの作品群という名前で、サグラダ・ファミリアを含む7つの建物が一緒に世界遺産として登録されているの。
7つの建物のうち、グエル公園、グエル邸、カサ・ミラは1984年の早い段階で世界遺産として登録された一方、サグラダ・ファミリア、カサ・ビセンス、カサ・バトリョ、コロニア・グエルは2005年に追加登録されたの。
さらにこ細かいことを言えば、サグラダ・ファミリアは建物全体が世界遺産の登録対象ではなく、生誕のファサードと地下礼拝堂のみが登録対象となっているのよ。
サグラダ・ファミリアの位置
サグラダ・ファミリアのあるバルセロナは、スペインの首都マドリッドから北東に約600km、スペインの新幹線AVEで約二時間半でいくことのできるスペイン第二の都市。

天にそびえ立ついくつもの塔が特徴的な建築物。
写真のアングルが正面かと思いがちだけど、実はこれは教会の右側面なの。
写真のアングルは生誕のファサードと呼ばれる東側から見たアングル。
ファサードというのは、建物の正面部分とそのデザインを指す建築用語。
通常建物の正面玄関は一つだけど、サグラダ・ファミリアには、このファサードが三つもあるの。
東側にある生誕のファサード、西側にある受難のファサード、そして正面玄関となる南側にある栄光のファサード。
彫刻
生誕のファサード

東側にある生誕のファサードは三つの門によって構成されているの。
中央の大きなイエスを象徴する愛徳の門、左側のイエスの父ヨセフを象徴する希望の門、そして右側のイエスの母マリアを象徴する信仰の門となっているの。
ガウディ自身のデザインによるとても美しい彫刻が施されているわ。
この生誕のファサードでは、その名の示すとおり、キリストの誕生から青年期までの逸話が彫刻で表現されているの。
まさに「石で作られた聖書」とも言えるわね。
サグラダ・ファミリアは1882年に着工され、当時はもちろんガウディ自身が指揮を取っていて、工事は東側の生誕のファサードから始まったの。
1926年にガウディがこの世を去るまでに、細かな彫刻を除くこのファサードの大部分が既に完成。
その上に見えるのが「聖母マリアの戴冠」で、聖母マリアが三位一体の上から冠を授けられる場面が表現されているの。
その羊飼いたちの上に見えるのが、様々な楽器を演奏している「音楽家たち」の場面。
その中で、「ハープを弾く天使」の彫刻は、日本人の彫刻家、外尾悦郎氏の作品で、約40年に渡りサグラダ・ファミリアで彫刻を手掛けているの。
外尾氏は2013年からは、サグラダ・ファミリアの主任彫刻家という重要な役割を任されていて、その彼が初めて手掛けた作品が、この「ハープを弾く天使」よ。
これらの彫刻の多くは、実は1936年〜1939年に起こったスペイン内戦によって、大部分が破壊されてしまい、再建されたものも多いの。
写真の柱の下側を見てみると、柱を支える亀の彫刻が見えるわね。
一方、右側(つまり山側)には陸ガメが柱を支えているという、凝った演出がなされているの。
サグラダファミリアの一連の彫刻の中で、ガウディが最初に着手したのがこの二匹のカメの彫刻。
長生きで変わらないものの象徴として、またカメのようにゆっくりでも着実にこの教会を建築していこうというガウディの思いが込められているの。
またその左側には、「聖家族のエジプト避難」が描かれていて、中央に見えるロバは、何とガウディが本物のロバを使って型取り、実物に忠実に制作されているのよ。
その右側に見える、刀を持った人の彫刻は、マタイ福音書に出てくる「幼児虐殺」を表現しているわ。
ユダヤの王ヘロデがキリストに脅威を感じて子供のうちに殺そうとしたんだけど、父ヨセフと母マリアはエジプトに逃げたため、無事難を逃れたの。
そして、これらの彫刻の中でも最も大事な場面が「イエスの誕生」。
左側にいるのが父ヨセフ、右側にいるのが中央の赤子イエスを抱きかかえる母マリア。
この三人を指して、「聖なる家族」と呼び、それをスペイン語でSagrada Familia「サグラダ・ファミリア」とこの教会の由来となった聖家族像なの。
正面に見える大きな扉も外尾悦郎氏が手掛けた作品で、蔦の葉っぱがモチーフになった「ブロンスの扉」。
日中は扉が開いているけど、扉を閉じると、イエスのJesusの頭文字JとマリアのMariaの頭文字Mが赤色で表現されているのがわかるでしょ。
また、扉に近づいてよく見てみると、あちこちに様々な小さな昆虫が散りばめられているのがわかるわ。
受難のファサード
東側の生誕のファサードとは打って変わって、かなり違った雰囲気が感じられる西側の受難のファサード。
生誕のファサードが細かな彫刻で埋め尽くされているのに対し、受難のファサードには非常にシンプルな彫刻が並んでいるのが見えるわ。
ガウディはこの受難のファサードの下絵を残し、それと共にこの下絵を参考に彫刻してほしいという遺言状のようなものを残しているの。
ガウディは自分が生きている間に受難のファサードが完成させることはできないと分かっていたのね。
ガウディの死後、彫刻家ジョセップ・マリア・スビラックスが、この下絵をもとにアレンジを加えて制作したのが、現在の受難のファサードというわけ。
その右側見える三体並んだ彫刻は、「キリストの捕縛」を表現しているの。
その上には、「馬に乗ったロンギヌス」の彫刻があり、彼はキリストが処刑されたとき、その生死を確かめるために脇腹にやりを突き刺したと言われているわ。
最後の晩餐のとき、キリストはペテロに「あなたはニワトリが鳴く前に、三度、私のことを知らないと言うだろう」と予言。
ペテロは「そんなことは絶対にありえない!」と答えました。
しかし、翌日キリストが捉えられ連行される姿を伺っていると、周囲の人から「お前もキリストの弟子か」との追及に、「いや違う!」と否定。
そして三度目に否定した直後にニワトリが鳴き、それを聞いてペトロはキリストの予言を思い出し、涙を流したという場面。
中央の門の上に見えるのは、十字架を背負って歩くキリストに汗を拭くために自らのベールを差し出した「聖ベロニカ」の姿。
キリストが汗を拭いたベールにはキリストの顔が浮かび上がるという奇跡が起こったの。
これは「魔法陣」と呼ばれ、縦・横・斜め喉の数字を足しても、その和が33になるように作られているの。
キリストが十字架にかけられたときの年齢が33歳だったことにちなんでいるのよ。
こちらの彫刻は、イエスの処刑に関与した総督ピラトがキリストを指して「見よ、この人だ!」という群衆に向かって発した場面。
たくさんの西洋絵画のモチーフにもなっている重要な場面よ。
その右側に見えるのが、キリストがピラトから十字架の処刑の判決を受ける場面、「ピラトの判決」が表現されているの。
このとんがりの上についている果物の装飾も、外尾悦郎氏の作品「果物の彫刻」。
遠くから見ると小さく見えるけど、実際はかなり大きく何トンもある石でできているのよ。
栄光のファサード
完成すると写真の模型のような立派な正面玄関になるんだけど、まだこちらは工事が進んでいないわ。
でも、教会内部を見てみると、高くて白い天井、そして大きくデザインされた窓からはたくさんの光が差し込んでくるわ。
正面の門が南側に来るように、そしていつでも光が差し込むように設計されているの。
写真の銅像はバルセロナの守護神サン・ジョルディ、聖ゲオルギウス。
そして栄光のファサードが完成したら取り付けられる重厚な「ブロンズの扉」。
この扉には世界中のあらゆる言語が書かれていて、もちろん日本語でも書かれていて、よく見ると「われらの父」という言葉をあちこちに見つけることができるわ。
これは日本の人気漫画「スラムダンク」の作者、井上雅彦氏による文字よ。
ステンドグラス
生誕のファサードから教会内に足を踏み入れると、そこに広がるのはこれまで見たこともない幻想的な空間。
いくつもの柱とカラフルなステンドグラスに覆われた空間が広がるわ。
天井もとても高く、開放感を感じるわね。
サグラダ・ファミリアのステンドグラスにはそれぞれ意味が込められているのよ。
生誕のファサード側のステンドグラス
こちらのステンドグラスは青や緑などの寒色を中心に構成されているの。
生誕のファサードは東側に位置するため、午前中はこちらから太陽の光が差し込んできて、美しくきらめいているわ。
受難のファサード側のステンドグラス
一方、反対側のこちらのステンドグラスは赤やオレンジなどの暖色を中心に構成されているの。
受難のファサードは西側に位置するため、夕暮れ時はこちらから太陽の光が差し込んできて、教会内部に差し込む工夫がなされていて、夕日の赤色がさらに深みをますわ。
午前中でも、このステンドグラスを通して取り込まれた赤みを帯びた光はとても柔らかで、教会内部を明るく照らしているの。
教会のステンドグラスと言うと、宗教画や聖書のモチーフなどが用いられる事が多いわね。
でも、サグラダ・ファミリアのステンドグラスは、宗教画などの特定のモチーフを表現していないことが特徴の一つね。
生誕や受難のファサードでは聖書のストーリーを忠実に表現していたのを比べると、とても対照的ね。
森の中の木漏れ日のような光
美しい柱から覗く光が、まるで森の中の木漏れ日のような印象を与えてくれるわ。
太陽の光を一身に受けたステンドグラスは、教会内をカラフルな光で照らすだけでなく、その床をも鮮やかに染めてくれるの。
そのステンドグラスがどのように作られたかは、サグラダ・ファミリア併設の博物館でその様子を知ることができるわ。
博物館内にあるガラスの見本は、実際にサグラダ・ファミリアに使われている色ガラスよ。
それぞれの色が番号で細かく管理されているのがわかるわね。
そして、デザインの各部分にどの番号の色ガラスが使われるかが決められ、その形に切り取られたガラスを、枠組で固定していくの。
同じ青でも微妙に違う色の青を組み合わせることで、実に柔らかな色味のステンドグラスができあがるのよ。
サグラダ・ファミリアのステンドグラスを手掛けたのは、画家でありガラス職人でもあったジョアン・ビラ・イ・グラウ氏。
繊細な表現のステンドグラスは、こうして美しく太陽の光を取り込んでいくの。
こちらはアプス・後陣と呼ばれる祭壇の後ろ側にある半円形のくぼんだ部分。
こちらの空間は、特に信者の方がお祈りを捧げるため、いつも静寂に包まれた空間となっているわ。
サグラダ・ファミリアの教会内部は、大きないくつもの柱の隙間から色とりどりの光が差し込み、まるで森の中を散策しながら浴びる木漏れ日のような印象を受けるわね。
サグラダ・ファミリアにまつわるトリビア
2006年、実はサグラダ・ファミリアは建築許可を受けていない建造物だということが発覚し、スペインでは大きな話題となったの。
なぜ建築開始から100年以上も経ってからこんなことが判明したかと言うと、この年マドリッドとバルセロナを結ぶスペインの新幹線AVEが開通。
ちょうどサグラダ・ファミリアの真下に当たる部分に、トンネルを掘る計画が浮上。
サグラダ・ファミリアの建設側は、当然このトンネルの掘削の中止を求めるなどするも、拒否されることに。
一連のやり取りが続くなか、実は当初建築許可を受けていた自治体が、その後バルセロナ市に吸収合併され、バルセロナ市への申請や更新などが行われていなかったの。
そのため、書類上は、無許可建築であることが発覚。
世界的に有名な建築物が、実は無許可だったということはまたたく間にスペイン中の知ることととなったのよ。
この由々しき事態を解決するため、サグラダ・ファミリア特別法という法律が制定され、サグラダ・ファミリアとバルセロナ市当局が合意することに。
その取り決めでは、2018年から向こう10年間に渡って合計で3600万ユーロ(約47億円)の税金をサグラダ・ファミリアがバルセロナ市に支払っていくことで合意。
これによって、工事許可を得ることができ、無事に建築継続許可が下りたというわけ。
ちなみに、問題の発端となったAVEのトンネルは、しっかりとした補強工事がされ、実際にトンネルが開通しているわ。
塔・柱・地下礼拝堂
外観の18本の塔
サグラダ・ファミリアの外観で一番目を引くのは、天高くそびえ立ついくつもの塔。
ガウディの設計によると、最終的に当の数は18本に上り、それぞれの塔には意味が込められているの。
完成するとその高さは172.5mになると言われているわ。
その隣りにあるのが二番目に大きく二番目に高いマリアの塔。
こちらの塔は2021年中の完成を目指しているのよ。
そして、イエスの塔を取り巻くように建てられているのが4本の福音書記者の塔
4つの福音書を書いた、聖ルカ、聖マルコ、聖マタイ、聖ヨハネの名前がつけられた塔。
それぞれの塔の尖塔には、それぞれのシンボルとなる雄牛、獅子、天使、ワシの彫刻が施されているわ。
最後に12本の使徒の塔。
生誕のファサード、受難のファサード、栄光のファサードの3箇所にそれぞれ4本づつ建てられるの。
現在生誕のファサードの4本と、受難のファサードの4本の合計8本の塔が完成。
教会内部の36本の柱
そして、柱の上部は枝分かれしていて、まさに自然界の木が枝を広げているかのような形になっているわ。
これは自然を重んじていたガウディが、実際の木々にインスピレーションを受け、デザインしたものなのよ。
上部が枝分かれすることは、単にデザイン的に美しいだけでなく、背が高く重い教会の骨格を分散させて支える機能的役割も果たしているわ。
合計36本もの柱で教会全体を支えているため、負荷が分散され、それにより壁の部分の強度に頼らない建築を可能にしているの。
そのため、大きく見事なステンドグラスを張り巡らせることができたわけね。
これは4種類の異なる石を使って、制作されているからなの。
支える重さの違いによって、強度の異なる石が使われているわけ。
写真のピンクの4本の柱、この部分使われているのが斑岩という石。
この4本の柱は一番大きくて一番高いイエスの塔を支えるため、最も負荷がかかる部分で、そのため最も強度のある石が使われているの。
そして、イエスの塔の周りを囲む4本の福音書記者の塔の重さを支えるために、ピンクの柱の周りには、濃いグレーの柱が見られるわ。
ここには玄武岩という、やはり強度の高い石が使われているの。
そして、さらに薄いグレーの柱は花崗岩で、白い柱は砂岩でできているのよ。
4本のピンクの柱は、それぞれ福音書記者の塔と同じくこの4人の名前が付けられているの。
生誕のファサード右から時計と反対周りに、聖ルカ、聖マルコ、聖マタイ、聖ヨハネとそれぞれの柱の上部に記されているわ。
2021年7月現在、福音書記者の4本の塔はまだ未完成だけど、その尖塔に取り付けられる彫刻は既に完成済みで、教会内に展示されているのよ。
福音書記者のことをスペイン語でEvangelista(エバンへリスタ)といい、しばしば西洋美術のモチーフにも取り上げられているの。
4人の福音記者を見分けるコツは、それぞれを象徴するモチーフが決まっており、絵画や彫刻に登場する際には、つねにそのモチーフと一緒に登場するのよ。
聖ルカのシンボルは雄牛、聖マルコのシンボルは獅子、聖マタイのシンボルは天使、そして聖ヨハネのシンボルはワシ。
サグラダ・ファミリアにとって2010年11月7日は、当時のローマ法王ベネディクト16世による聖別のミサがサグラダ・ファミリアで行われた特別な日。
この日サグラダ・ファミリアで行われた教皇のミサには6,500人もの信者が参列したそう。
聖別のミサとは何かを聖なるものとして、その他のものと区別するための儀式で、スペイン語でConsagracion(コンサグラシオン)というのよ。
これによって、サグラダ・ファミリアは一教会から、晴れてバシリカになったの。
バシリカというのは教皇によって与えられる教会の肩書きのようなもの。
大バシリカと小バシリカの2つの種類があり、大バシリカは世界にたった4つ、小バシリカは世界に1,500以上あり、スペインだけでも125の少バシリカがあるのよ。
サグラダ・ファミリアはその小バシリカの一つに数えられるようになったわけ。
余談ですが、4大バシリカというのは、いずれもイタリアの首都ローマにあるの。
「サン・ピエトロ大聖堂」、
「サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂」、
「サン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂」、
「サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂」
そして、日本にもたった一つだけ小バシリカの肩書きを持つ教会があり、長崎県の「大浦天主堂」がそれで、世界遺産にも登録されているの。
閑話休題。
ガウディが眠る地下礼拝堂
サグラダ・ファミリアでの通常の信者のミサは、主祭壇の真下にある地下礼拝堂で行われるの。
ミサの様子は窓ガラス越しに観ることができ、こうした窓も地下礼拝堂に光を取り込むくための工夫の一つね。
地下礼拝堂には、一般の入り口とは異なる小さな入口から入るの。
言うまでもなく、サグラダ・ファミリアの地下礼拝堂は世界遺産に登録されているのよ。
ガウディはその生涯の長い時間をサグラダ・ファミリアの建設に捧げてきたの。
ある日、ミサに向かう途中、メガネを家に忘れてしまったため、小さな段差を見落として転倒し、運悪くそこを通った路面電車にひかれ命を落としてしまうことに。
ガウディのための葬儀とミサは盛大に執り行われ、遺体はこの地下礼拝堂に埋葬されることになったの。
今もガウディは、ここからサグラダファミリアの完成を見守っているのね。
サグラダ・ファミリアの建設が始まったのは1882年のこと。
それ以来、建設は様々な苦難を乗り越えてきたわ。
その中でも一番の大きな惨事は、1936年から始まったスペイン内戦。
この戦火により、実はガウディが制作した設計図や模型の大部分が消失してしまうことになったの。
そのため、ガウディの構想を完全な形で実現することは、早い段階で不可能なことが分かっていわ。
それ故、建設反対運動もたびたび起こり、おまけに資金不足も重なって、完成には200〜300年はかかるとだろうと言われた時期もあったの。
だけど観光客の増加による拝観料の増収や、21世紀に入ってからの最新技術や3Dプリンターの活躍により、構造解析がまたたく間に進むことになったわ。
コロナ前には、2026年、すなわちガウディ没後100周年の記念の年に完成予定と工期が大幅に短縮されることになったの。
しかしながら、2020年のコロナのパンデミックの影響で、完全に閉鎖され、工事も止まってしまい、今その遅れを取り戻すべく、急ピッチで建設作業が進んでいるわ。
…まとめ
以上、アントニオ・ガウディの未完の作品、サグラダ・ファミリアの紹介をたくさんの写真を使って、できるだけわかりやすく解説させて頂きました。
スペイン内戦後の一時期を除いて一度も止まることのなかったサグラダ・ファミリアの建設工事。
そして、2020年のコロナのパンデミックの影響で、完全に閉鎖され、工事も止まってしまい、今その遅れを取り戻すべく、急ピッチで建設作業が進んでいるわ。
最後まで読んでいただいてどうもありがとうございます。