ガウディ

ガウディ対決!?「カサ・バトリョ」vs「カサ・ミラ」 行くならどっち?

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こんにちは、バルセロナ在住10年目になるモニカ通信のモニカです。

Hさん
Hさん
「バルセロナってガウディ建築がたくさんあるでしょ。全部見て回りたいけど、時間的に難しそうなので、「カサ・ミラ」と「カサ・バトリョ」だったら、どっちに行ったほうがいいかしら?」

モニカ
モニカ
「「カサ・ミラ」に行くべきか「カサ・バトリョ」に行くべきか…まるでシェイクスピアの「ハムレット」のような質問ね。できればどっちにも行って欲しいんだけど、どちらか一つに絞るなら、カサ・バトリョね。」

ということで、今回は究極の質問、「カサ・ミラ」と「カサ・バトリョ」だったら、どうして「カサ・バトリョ」に行った方がいいのかを説明しますね。

カサ・バトリョとカサ・ミラってアパート?

casa batllo vs casa mila
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バルセロナ観光で絶対外せない観光スポットといえば、間違いなくアントニオ・ガウディのサグラダ・ファミリアが一番に上がるわよね。

で、二番目に来るのが、いろいろ意見が分かれるかもしれないけれど、やはりグエル公園かしら。

問題は、その次に来る三番目、四番目の行くべき観光スポットになるのが、カサ・バトリョとカサ・ミラあたりになると思うんだけど…

どちらも入場料金は決して安くはないし、時間のない人や、ガウディ建築にすごく興味があるっていう人でなければ、正直どっちかだけにしたいと思うのかな。

カサ・バトリョとカサ・ミラは、どちらもスペインの偉大なる天才建築家アントニオ・ガウディが手がけた、もともとはアパートメント。

どちらも高級ブランド店が立ち並ぶパッセジ・デ・グラシア通りに面していて、ちょうど東京の銀座の並木通りみたいなところね。

お互いの建物はグラシア通りをまっすぐ歩いて、たった距離にして400mほど、歩いて5分ぐらいのところにあるので、一方の建物からもう一方の建物が見えるわ。

特筆すべきは、カサ・バトリョとカサ・ミラのどちらも、サグラダ・ファミリアやグエル公園と同じく、アントニオ・ガウディの建築群として世界遺産に登録されていることね。

カサ・バトリョ

Casa Batllo exterior

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カサ・バトリョ(Casa Batlló)は、ガウディが繊維業で財をなした富豪ジュゼップ・バトリョのために改築した邸宅。

世界遺産「アントニ・ガウディの作品群」の一つで、曲線が特長であるモデルニスモ建築の代表作の一つでもあるの。

人間のガイコツを思わせるバルコニーや骨をイメージさせる支柱から「骨の家」や、中央サロンの外観が大きく開けた口のように見えることから「あくびの家」とも呼ばれているわ。

地中海の「青」をモチーフにしていて、水をモチーフにした水玉模様が印象的な建築。

外壁だけでなく、窓のステンドグラスにも水玉が使われていて、外側から眺めても内側から眺めても、とても可愛い印象を受けるわ。

コンセプト

カサ・バトリョは、カタルーニャの守護聖人であるサン・ジョルディの伝説がモチーフ。

屋上のファサードはドラゴンの背骨の鱗をイメージしていて、ファサードのそれぞれの要素がドラゴンとサン・ジョルディの戦いの様子を表現しているの。

外観


Casa Batllo exterior

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ガウディが工学と美学を巧みに組み合わせた独創的な建築の先駆けとなる作品。

カサ・バトリョの見どころの一つは、カラフルない色彩とシンボルがいっぱい散りばめられた素晴らしいファサード。

建物のそれぞれの箇所に独自の意味があり、一言で外観を説明することは不可能に近いわね。

一般的に、カサ・バトリョの外観は、カタルーニャの物語、サン・ジョルディの伝説がモチーフとなっているの。

カサ・バトリョの屋根の形は、ドラゴンの背骨の鱗、屋根の小さな塔は、騎士がドラゴンを倒した槍、柱やバルコニーは犠牲者の骸骨や骨の輪郭がイメージできるわね。

残念ながら、屋上テラスに関しては、カサ・ミラのようにバルセロナ市内の美しい写真を撮るほどの素晴らしい景色はないわね。

内観

Casa Batllo interior

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内観はカサバトリョの外観のコンセプトを引き継いでいるわ。

建物の曲線を帯びたデザインは、カサ・ミラの影響を受けていて、インテリアの各要素は全体的に海洋または自然をテーマにしているの。

まるでドラゴンの身体の中にいるかのよう…。

それぞれの部屋はすべて異なるけれど、自然という共通のコンセプトがあるわ。

多くの部屋には海をイメージさせる要素があり、すべてのドアには、魚のえらに似た換気システムが装備されているの。

パティオ(中庭)へ通じる窓にはさまざまなサイズがあり、より多くの光が入ってくるように、また建物が自然に換気されるようになっているの。

建物の見どころの一つは、カサ・バトリョの中で最も美しいメインフロアでもあるノーブルホール。

ここには、中央サロン、ダイニング、書斎などがあり、ガラスとステンドグラスによって、とても開放的な空間になっているの。

さながら、ディズニーシーのマーメードラグーンを思い起こさせるわね。

階段は美しい吹き抜けの一部になっていて、青いタイルで装飾された吹き抜けを見上げると、まるで海底から水面を眺めるような気分になるわ。

チケット

カサバトリョでは、早朝、日中、夜間とさまざまなチケットを提供しているわ。

日中の一般チケットはグレードによって異なる特典が受けられる、3つのカテゴリーに分かれているの。

チケットの価格は25€(通常チケット)から39€(早朝入場チケット)まであり、内容によって変わるわね。

サービス

カサバトリョは、スマートガイドと呼ばれるスマートフォンのようなオーディオガイドを提供してくれるの。

バーチャルリアリティ効果のおかげで、デバイスを動かしながら、人々がそこにどのように住んでいたかを見ることができるわ。

荷物の預かりと無料Wi-Fiが利用可能。

カサ・ミラ

Casa Mila exterior

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カサ・ミラ(Casa Milà)は、アントニ・ガウディの傑作の1つで、実業家ペレ・ミラ夫妻のために建築した邸宅兼アパート。

ガウディ最後の設計といわれる、外壁にも内部にも曲線しか使われていない、世界遺産の賃貸高級マンション。

今でこそバルセロナを代表するガウディ建築の一つになっているけれど、当時は見た目の悪さから、「石切場」(ラ・ベドレラ)と呼ばれ揶揄され、あまり評判はよくなかったのよ。

2階にあるカフェでお茶すれば、カサ・ミラの中に入場料を払って入いらなくても、建物の雰囲気を味わうことができるわよ。

コンセプト

伝統と革新の象徴でもある、地元市民からラ・ペドレラの名前で知られるカサ・ミラ。

ガウディは、「建築」、「自然」、「宗教的信念」、「カタルーニャへの愛情」という人生における4つの情熱に触発されて、カサ・ミラを設計しているの。

外観

Casa Mila rooftop

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カサ・ミラ最大の見所の一つは、天然石を利用した奇抜かつ美しいファサード。

天然石のファサードとは対照的に、33のバルコニーは錬鉄製の棒でできているの。

建物の至る所に見られる曲線は、水の自然な動きを表していて、建物を「石の海」のよう見せることを意図しているわ。

建物には光をたくさん取り込めるように、窓がたくさんあるわね。

カサ・ミラ一番の見所といえば、屋上テラス。

カサ・ミラの屋上テラスは高さがあるので、グラシア通りやバルセロナ市内の美しい景色が楽しめるわ。

屋上にはさまざまなレベルの通路があり、インスタ映えする写真を撮ることができるわね。

屋上からは遠くに、サグラダファミリアとアクバルタワーが見えるわよ。

内観

casa mila interior

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建物は荷重に耐える壁がないため、石の重さで建物が押しつぶされないよう、骨組みを形成する石の柱のみから成るの。

ファサードの大きな窓は、2つの利点があるのよ。

一つは、家への光の取り入れを容易にすること、もう一つは、スペースを自由に分散できること。

屋根裏部屋は、もともと洗濯用のスペースだったところで、現在は展示用スペースとして使用。

スペースのデザインは、ニシキヘビのパイソンの骨格がモチーフ。

壁はロープを垂らしてできる曲線の形状をしたカテナリーアーチ273本あるの。

各アーチの高さが異なることからも、どうして屋根のレベルと階段が不規則なのかが分かるわね。

屋根裏部屋では、カサミラのアパートで使用されている椅子のレプリカを見ることができるわ。

カサ・ミラの椅子などの家具は、ガウディが建物の一部として設計しているのよ。

ガウディは、家具が機能的であるだけでなく、人間の体の形(人間工学的)にも適応することを計算していたのね。

さらに、ミラ家がかつて住んでいた家具や古い装飾が施された部屋、居間、書斎、寝室なども見学できるわ。

チケット

カサ・ミラでは、昼と夜で異なるチケットを提供していて、日中はオーディオガイド、夜はガイドツアーになっているの。

チケットの価格は24€(日中の見学チケット)から59€(夜のガイドツアー+一階レストランでのディナー)まであり、内容によって変わるわね。

サービス

カサ・ミラでは、日本語のオーディオガイドと建物内の地図を提供してくれるわ。

荷物の預かりサービスと無料Wi-Fiが利用可能。

結局、行くならどっち?

eye catch
外観内観(部屋)屋上テラス
カサ・バトリョ
カサ・ミラ

結論!バルセロナ観光が初めて、どちらかに決めかねているなら、「カサ・バトリョ」をおすすめするわ。

理由はカサ・ミラはちょっとディープというか奥が深いというか、建築にあまり詳しくない人にとっては、「わーっ、すごい!」って感じにはなりにくいかも知れないわね。

カサ・バトリョもアパートメントもアパートメントには違いないけど、ステンドグラスやメルヘンチックな内装の雰囲気が楽しめるのはカサ・バトリョのほうね。

カサ・バトリョについて詳しくはこちらも↓

【2021年版】【徹底解説】世界遺産「アントニオ・ガウディの作品群」カサ・バトリョ - モニカ通信

一方、ガウディ建築に興味のある人やスペインの当時の住宅様式について詳しく知りたいなら、カサ・ミラをおすすめするわ。

形にこだわったカサ・ミラは、外装・内装の装飾が非常にシンプル故に、初心者にはその素晴らしさを理解するのが、少しむずかしいかもしれないわね。

カサ・ミラについてっ詳しくはこちらも↓

【2021年版】【徹底解説】世界遺産「アントニオ・ガウディの作品群」カサ・ミラ - モニカ通信

 

…まとめ

結局、おすすめはカサ・バトリョって、いっておきながら、結局はカサ・ミラもおすすめしている優柔不断なモニカ。

でも、バルセロナ初デビューの初心者の人には、間違いなくカサ・バトリョをおすすめするわね。

「カサ・ミラ」は二度目のバルセロナ旅行の楽しみにとっておけばいいんじゃないかしら…😉

最後まで読んでいただいてどうもありがとうございます。